何かと使いやすい家にするためにDIYしたいと考えたときに、すぐに考えるのが、コンセントの位置や数です。
スマートフォンの充電や、コードレス掃除機の充電、無線LANのルーターの設置や、高圧洗浄機の使用等、新居での生活に慣れてくると、当初意図していなかった場所にコンセントが欲しくなります。
また、電気のスイッチを改良したくなったり、照明を追加したくなることもあります。
そういった電気工事をしたくなった時に、電気に関する知識はもちろんですが、電気工事士の国家資格も必要になるって知ってました?
電気工事の資格とは
このような電気工事に必要な資格は、正式名称を「第二種電気工事士」といいます。
第二種と言うだけに、他にも第一種電気工事士という第二種の上級の資格もありますが、第一種は主に工場やビルのような規模が大きい電気工事に必用な資格で、自宅改修のDIYレベルであれば、第二種の電気工事士の資格があれば、まず問題はありません。
かくいう私も、第二種電気工事士の免許保有者です。
だからと言って、電気科の高校を卒業したとか、家業が電気関係とかでは、まったくありません。
本屋で資格受験の本を2~3冊購入して、少しの期間、独学で筆記試験の勉強と技能試験の練習をして、試験を通過しました。
そのため、資格は持っていますが、実務経験がまったくない、ペーパー電気工事士です。
第二種電気工事士の資格をとってできること
正直、資格に取得しただけでは、電気工事をする能力はほとんど身に付きません。
ホームセンターで新しいコンセントやスイッチを買ってきて、交換はできるといったレベルです。
しかし、この資格がないと、法律的に電気工事はできないことになっていますので、法に違反せずに電気工事ができるようになるだけでも、取得する価値は大いにあります。
私は、ブログで電気工事を含めたDIYを、後ろめたいことなく紹介できるようになりました(笑)
第二種電気工事士試験の受験層
第二種電気工事士試験の受験者は、私が受験した時は、工業高校の電気科の学生と思われる若い学生服を着た方が全体の半数くらいいました。
他には、様々な世代の方が入り混じっており、40代や50代で、現場で使い込んだような工具を持参されている、ベテランのオーラを漂わせている方も数人いらっしゃいました。
女性の受験者は、正確に確認をしていませんが、私の受験した部屋では見かけませんでした。
受験されている皆さんから漂う雰囲気から、私のように趣味の延長で受験されている方は、かなり少なそうでした。
第二種電気工事士試験の難易度
試験の難易度は、私の個人的な感想では、それほど難しいものでもないと思います。
平成28年度第二種電気工事士上期試験結果
筆記試験の合格基準点:60点(6割)
筆記試験の合格率65.2%
技能試験の合格率74.1%
私は、筆記試験の勉強は、試験日の1ヶ月くらい前から、ちょこちょこと過去問を解き始め、筆記試験の1週間前で、6割くらい。試験前日で7割くらい正解するようになりました。
私は、オームの法則を使用した計算問題等はもともとある程度できましたので、「写真の器具の名称・特徴」を答えるような問題で、得点を落とさないように注意して勉強しました。
二次試験の勉強は、試験日の1週間くらい前から、過去問の複線図を書けるようになることを優先的に勉強しました。
試験日の2、3日前から、VVFストリッパーや圧着工具の使い方に慣れるために、短いVVFケーブルを購入して、皮膜むきの練習をしたり、少量のリングスリーブを購入して、圧着の練習をしたりしました。
私は、結果として私は試験に合格できましたが、かなりギリギリで合格した感じでした。
筆記試験は、試験の1週間前でボーダーの6割しかとれず、ケアレスミスで落ちるかも…とあせりましたし、技能試験も、試験場で時間ぎりぎりで冷や汗をかくくらいアタフタしてしまい、もう少しきちんと対策をしていればよかったと、最後の合格発表を確認するまで反省していました。
今後、受験を考えている方は、私のスケジュールを参考にせず、しっかりと対策をされることをおすすめします。
第二種電気工事士試験の受験申し込み
第二種電気工事士の試験は、年に2回行われています。
受験申し込みは、上期試験が3月の後半、下期試験が6月の後半に行われています。
突然、第二種電気工事士の資格をとろう!と思い立っても、年にこの機会しか受験の申し込みができませんので、計画的に受験をする必要があります。
試験は、年に2回行われていますが、どちらかしか受験することはできず、年に1回しか受験することができません。そのため、万が一受験に失敗すると、来年まで受けれずかなり悔しい期間を過ごすことになりまし、試験に対するプレッシャーも大きくなります。
平成29年度の試験日程は下記のとおり発表されています。
上期試験
申し込み 3月15日(水)~4月5日(水)
一次試験 6月4日(日)
二次試験 7月22日(土)または7月23日(日)
下期試験
申し込み 6月15日(木)~6月28日(木)
一次試験 9月30日(土)
二次試験 12月2日(土)
受験料は、インターネット申し込みが9,300円、払込取扱票による申し込みが9,600円です。
- 上記内容は、ブログ作成時のもので、不正確なおそれがありますので、詳細は、試験を管轄する一般財団法人電気技術者試験センターのホームページ等で確認してください。
独学で第二種電気工事士試験を受験するのにおすすめの教材
筆記試験対策
一次の筆記試験の対策は、合格だけを考えれば、何より過去問を解いていくことが時間的効率がいいです。
ちなみに、過去問は電気技術者試験センター(電気工事士試験の実施機関)のHPを見れば、過去数年分を見ることができます。
しかし、このサイトでは、問題と、解答の記号のみが公開されており、詳しい解説がありません。そのため、分かりやすい解説がなされている問題集を購入して、過去問に取り組んだほうがいいと思います。
とにかく過去問をやって、解説を読んで、同じ問題が出れば間違えないレベルまで繰り返せば、それだけで筆記試験は合格できるはずです。
試験とは別で、電気工事についての理解を深めたいのであれば、テキストのようになった参考書も用意するといいかもしれません。
実際に勉強を始めると、テキストの文字や写真の説明だけでは、いまいちピンとこない、具体的にどういったところで活用されているものなのか分からないような内容が出てきます。そういったときは、調べ物の基本ですが、googleで検索して、実際に活用されている画像や説明を確認していけば、理解が深まります。
筆記試験のおすすめ教材
一次の筆記試験に関してのおすすめ教材は、下で紹介している「第二種電気工事士筆記試験標準回答集」です。過去問を中心に構成されており、解説も丁寧で分かりやすいです。
いきなり過去問中心の勉強方法では抵抗があるかたには、そのさらに下で紹介している「第二種電気工事士試験完全攻略筆記試験編」をおすすめします。この参考書では、計算問題が後にまわされており、勉強を始めたばかりの人にとって、順番にとりかかりやすい内容になっています。
逆に、個人的にいまいちというか、合わなかった教材は、amazon等で人気の参考書「すぃ~っと合格」シリーズです。内容はいいのかもしれませんが、絵柄が苦手で、私には合いませんでした。
過去問を中心とした参考書としておすすめ
解説が丁寧 値段が比較的安い
いきなり過去問中心では抵抗があるかたにおすすめ
計算問題が後にまわされており、順番にとりかかりやすい
技能試験対策
二次の技能試験では、問題用紙に書かれた図で示された配線工事を、与えられた材料を使用して、施工条件に従って完成させなければなりません。
出典:一般財団法人電気技術者試験センター
平成28年度電気工事士上期技能試験(平成28年7月23日実施)解答
簡単に説明すると、この写真のようなものを与えられた材料で作ることになります。
例年、13問の候補問題が事前に公表されており、その中から1問が出題されます。そのため、この13問を繰り返しやることが最大の対策になります。
二次試験では、慣れない工具を少ない時間で使いこなさなければいけませんので、頭で理解するだけではなく、やはり実際に手を動かして、課題を作る練習が必要になります。
ちなみに私は、練習のためにVVFケーブルや、ランプレセプタクル等を購入するのをケチってしまい、あまり練習をしませんでした。そのため、本番で皮膜をむきすぎるようなミスや、異なる電線を接続するようなミスをしてしまい、そのリカバリーであやうく時間が足りなくなりそうでした。
ちょっと高価ですが、練習の部材セットを購入して、時間を計測して練習し、万全の体制で試験に臨むことをおすすめします。
電気工事士試験を受験するために、受験料が約10,000円かかりますし、年に1回しか受験できませんので、ケチケチして不合格になるのは、絶対に避けるべきです。
技能試験のおすすめ教材
二次の技能試験に関してのおすすめの教材は、「第二種電気工事し技能試験好評問題の合格回答」です。写真が大きくて分かりやすく、比較的値段が安いのが決め手です。
写真が大きくわかりやすくておすすめ
筆記試験と同じで比較的安い
技能試験で必要な工具
二次の技能試験では、試験で使用する工具を持参しなければなりません。
持ち込みが許可されている工具の種類ですが、基本的には、電動工具以外の全ての工具を持ち込み、使用することができます。
また、最低限必要な工具として、指定工具が設定されており、受験者は必ず持参するように案内されています。
[ 指定工具 ]
ペンチ、ドライバ(プラス、マイナス)、ナイフ、スケール、ウォータポンププライヤ 及びリングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997適合品)出典:一般財団法人電気技術者試験センター 第二種電気工事士試験 受験案内
指定工具のみでも、十分な練習を積めば、試験に合格することができますが、二次の技能試験は、時間との勝負です。
このため、芯線被覆の剥ぎ取りをはじめとした作業を効率的に行うため、VVFストリッパーを使用するのをおすすめします。
正直、VVFストリッパーがあれば、ナイフは必要ありません。
技能試験のおすすめ工具
指定工具やVVFストリッパーを、ホームセンター等で手にとって、個別で購入するのもいいと思いますが、それらの工具は、様々なメーカーから、様々な形状や大きさで販売されています。
迷ったり、間違って購入するリスクを考えれば、試験用としてセットで販売されている工具を購入されることをおすすめします。
下で紹介しているほー算の工具セットは、口コミでの評判もよく、多くの人がこの工具セットを使用して、第二種電気工事士試験に合格しています。
とにかく費用をおさえて工具を購入するのであれば、リングスリーブ用圧着工具とVVFストリッパーのみ個別できちんとしたものを購入し、他の工具は100均等で販売されている安い工具を購入してもいいと思います。
VVFストリッパーがあれば、作業の半分以上はこのVVFストリッパーで行うことができますので、圧着工具を除いて、他の工具の重要性はそれほど大きくありません。(ないと困りますが)
ケース付なのもうれしい
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