パキパキに割れたPF管
PF管とは、日本語にすると、合成樹脂製可とう電線管と呼ばれるもので、屋外で使用する電線を保護するための、蛇腹状の管です。
PF管は、PF管の中を通る電線を、雨や紫外線による劣化や、その他損傷から守っています。
PF管に似たようなものに、CD管という、見た目がほぼ同じで、オレンジ色をした管があります。
CD管の役目も、PF管と同じで電線の保護なのですが、CD管は主に、コンクリート内に電線を通す際に使用する電線管で、PF管と比較して、自己消化性や耐候性がありません。
交換する紫外線で劣化したPF管
我が家では、別の投稿で紹介しているマリンランプの電線接続部分にPF管が使用されています。
我が家のPF管は、おそらくは紫外線の影響で劣化しており、蛇腹の部分でぱっくりと割れて、中の電線が見えています。
PF管は、耐候性があり、比較的、紫外線に強いとは言っても、屋外で半永久的に使用できるようなものではないようです。
我が家では、PF管をかなり強めに曲げた状態で使用していたことから、劣化が早まった可能性もあります。
結論として、PF管は、日光が当たる場所では、約10年で損傷し、補修が必要になるものと考えた方が良さそうです。
交換方法
PF管は花壇の境にある低いブロック壁の下や、通路下の土の中を通って、家の床下に配管されています。
気分としては、多かれ少なかれ劣化が予想されることから、PF管全部を交換したいところですが、現実問題として、このすべてのPF管を掘り返して交換するのは大変です。
我が家のPF菅が大きく劣化している箇所は、地表に現れたマリンランプへの接続部分のわずかなところです。
今回交換しても、今後また、同じ個所が劣化するおそれもありますので、この大きく劣化した部分のみを切り取り、PF管とPF管をつなぐカップリングを使用して補修したいと思います。
必要な部材
1.PF管のカップリング
少し大きめのホームセンターに行けば売っているはずです。
注意点として、同じ売り場で販売されている、見た目はPF管と非常によく似たオレンジ色のCD管は、PF管とは外径が違います。
例えば、同じ「16」と記載されていても、同じ外径ではありません。
ですので、PF管のカップリングがなかったからと言って、CD管のカップリングで代用することはできません。
今回の配管は、PF菅のコネクタも使用します。
コネクタは、電気器具やジョイントボックスとの接続で使用するもので、今回はマリンランプとの接続部分に使用されています。
ちなみに、コネクタはあまり痛んでいなかったため、これまで使用していたものを再利用しました。
2.PF管
PF管は、大きなホームセンターであれば、10センチ単位等で切り売りをやっています。
PF管には、太さが数種類ありますので、補修しようとしているPF管の太さをあらかじめ計測していくか、使用していた現物をホームセンターに持って行って、サイズを間違わないように購入することが大切です。
私は、近所のホームセンターでPF菅16の10m売りのものを1000円ちょっとで購入しました。
交換作業
古いPF管の切断
交換作業は、PF管内に電線を通し直す必要があります。
電線を切断してPF管の管内で接続し直すことは安全面からできないため、末端に接続されている電気機器(我が家ではマリンランプ)から接続された電線とPF菅を取り外します。
その後、PF管の傷んでいる部分を、電線に傷をつけないように注意しながら、切り取って取り除き、カップリングを使用して、新しく用意したPF管を接続します。
PF管は、やや切りにくいですが、カッターナイフや電工ナイフで切ることができます。
我が家では、傷んだPF管を、電気機器から約20cmの部分で切断し、地中の比較的深い部分で接続するように調整しました。
PF管の接続を地中の深い部分でする理由は、水抜きのためです。
PF管内には、カップリングの隙間や結露で水が浸入することがあるため、カップリングを一番低い部分にして、PF菅内から水分が抜けるようにしています。
トラブル発生!
我が家の痛んだPF菅を切断したところ、PF菅内に、電線と一緒に木の根が収まっていました!
PF菅の見えない場所に穴があり、木の根が侵入しているのは間違いないのですが、我が家のPF菅は、切断した箇所のすぐ近くからブロック柵の下を通り、家屋の床下に向かっています。
そのため、原因箇所まで掘り進むのも難しいことから、今回のこの木の根は、そのままPF菅内に収めてしまいました…(注:参考にしないでください)
PF管の加工
交換するPF管の長さや取り回しは、PF管が意外と固いこともあって、ややシビアに調整したほうがうまくいきます。
PF管の切断は、カッターナイフで簡単にできます。
PF菅の切断面は、カップリングからの水の侵入防止や、確実な接続を行うため、丁寧に整えることをおすすめします。
カップリングの接続方法
カップリングには、「接続」と「解除」のメモリがあり、接続したPF菅が抜けないようにロックする機構があります。
このカップリングにPF菅を接続するやり方は、「接続」にメモリを合わせたまま、PF菅を差し込めば問題ありません。
「接続」にメモリを合わせた状態だと、PF菅を差し込むことはできますが、爪が引っかかって、PF菅を抜き取ることはできません。
施工をやり直す際は、「解除」にメモリを合わせることで、PF菅を引き抜くことができます。
「接続」と「解除」の切り替えは、かなり固い場合があるので、注意が必要です。
電線の接続
あとは、PF菅をコネクタを使用して電灯に接続し、電線を電灯の端子に接続すれば作業終了です。
電線を取り外す前の、我が家の電線と電灯の接続部分は、電気工事の基本が守られずに接続されていました。
基本では、皮膜をむいた電線は、取り付けのネジを締め付けた時に、広がらず、巻き込むようになるように、右曲げで接続されます。
この曲げ方は、いわゆる「のの字曲げ」というものです。
我が家の電灯は、左側の接地側電線(白色の電線)が左曲げで固定されていました。
また、皮膜をむいた電線の曲げ方もルーズで、皮膜をむいた電線が余ったままです。
このような作業は、電気工事士試験では減点対象です。
ひょっとしたら、このランプは無資格の外溝業者が設置したのかもしれません。
VVFストリッパーの活躍
ここで、電気工事士試験のために購入した工具が役にたちます。
のの字曲げはこっちのほうがしやすいと評判
この「のの字曲げ」加工は、普通の電工ペンチでやってもいいのですが、電気工事士試験対策で購入したVVFストリッパーは、先端部分が「のの字曲げ」を美しくできるように、できています。
このVVFストリッパーは、他にも、電線の皮膜むきや電線の切断等、様々な電線の加工ができるようになっています。
電気工事のプロとして、作業をする方であれば、それぞれの電線加工に専門の工具を使った方が、作業効率がいい場合が多いと思いますが、私のようなペーパー電気工事士が、自宅のDIYのために電気工事をするくらいであれば、このVVFストリッパーは、大変使いやすくおすすめします。
電線を適切な長さにカットして、接地側電線と非接地側電線の2本をまとめて「のの字曲げ」をしました。
あとは、右曲がりになるようにネジで固定すればバッチリです。
仕上げ
ほんの気持ち程度ですが、マリンランプの固定を前方にずらして、PF菅の曲がりをゆるくしました。
マリンランプのカバーを清掃して、防水加工をして取り付けました。
これで、今回の補修は完了です。
これで、また10年くらいはもってくれる思います!
コメント
PF管について検索していてたどり着きました
本文を読み進めていたところ
途中数か所「PF管」が「PF菅」になっているようです